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塗装講座番外編:ガシャポンフィギュアのディティールアップについて

はじめに

以前、掲示板にてミニサイズのフィギュアの塗装法をリクエストされましたのでガシャポンフィギュア「ぴたテン」の美紗をつかって簡単なディティールアップについて紹介します。これを題材に選んだ理由はK&Mをはじめとする海洋堂フィギュアではすでにグラデーションまで施されているため手を加えると、かえって悪くなってしまう恐れがあり、かといってできの悪いものに手を加える気にもなりませんので造形が良く、ちょっと手を加えるとより良くなるものとしてこれを選びました。(あと、ダブッてしまったので予備もあると言う事も関係しますけど)

基本的な作業の流れは、「1:歪みを取る」「2:リタッチ」「3:墨入れ」「4:ハイライトを入れる」「5:トップコート」の3つです。

1:歪みを取る

軟質樹脂製ガシャポンフィギュアの場合、カプセルに入っているときに歪んでしまっていることがほとんどです。特にロボットの翼や剣、銃など細長いものはまず間違いなく歪んでいます。そのため、この歪みを直す必要があります。
歪みを直す方法は簡単で、お湯に付けるなどして樹脂を柔らかくすれば自然に成型時の形状になります。私の場合、適当な容器にパーツ状態のフィギュアを入れ、そこにお湯を注いで歪みを取ります。
お湯から出したら水分をふき取って乾燥させます。そして一度組み立てて様子を見ます。今回はやや首が長いように感じましたので少し首を短くしました。
また、私はしていませんが、補強に金属線を入れるという工作をしている方もいます。

2:リタッチ

コストの都合で塗り分けられていない部分や塗り残しを修正します。基本的に面相筆で筆塗りです。軟質樹脂の場合は食いつきの良い塗料であるほうが良いので今回はミスターカラーを使用しました。(フィギュアによってはミスターカラーで本来の塗料が剥がれてしまう事がありますので差し込みピン等目立たない部分でテストをする事をお勧めします。)
今回は髪飾りの兎の目をブラックで加え、袖や各種飾りの微妙な塗り残しを修正しました。

3:墨入れ

墨入れをします。手順は、薄め液で薄めた塗料を溝の部分に流し込むように塗り、半乾燥状態のうちにはみ出ている部分を薄め液を染み込ませたティッシュペーパーや綿棒でふき取るというものです。少し拭き残してグラデーションをかけても良いと思います。
小さいキットですのでやや色の変化をきつめにして影を強調しても良いと思います。こちらもミスターカラーを使用しました。
今回は白い部分にはホワイトにキャラクターブルーを少量加えたもので、髪の毛はクリアにコピックを加えたクリアレッド、服はブラックを使用しました。

比較:羽根
(↑)右は通常、左が墨入れ後

4:ハイライト

髪の毛の部分にハイライトを入れます。同じくミスターカラーを使用し、筆で全体のバランスを見ながらハイライトを加えてゆきます。

比較:上から
(↑)右は通常、左がハイライト後

5:トップコート

最後にトップコートを吹きます。使用したものはつや消しクリアのスプレーです。

◆ ◆ ◆

以上です。さらに質感を良くしたいのでしたらエアブラシでグラデーションをかけるなどすれば良いでしょう。
内容についての感想や質問がありましたら掲示板またはメールにてお願いします。

参考写真:右側が加工前、左が加工後です。

比較

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