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木門推進委員会
第2回:植物の種類と動物の体の大きさ

森林の生物

皆さんは森林の生物といいますと何を思い浮かべるでしょうか。
日本の森ではリス、シカ、キツネ・・・と中ぐらいの動物が思い浮かぶことでしょう。せいぜい大きいといってもクマぐらいですね。では、熱帯雨林ではどうでしょうか。熱帯雨林といえば出てくる動物はサルや極彩色な鳥たちなどが思い浮かぶと思います。
さて、熱帯雨林は生物の種類がとても豊富であるということは皆さんはご存知だと思います。ではなぜ、熱帯雨林には大型の動物はいないのでしょうか。
大型の動物というと思い浮かぶものとしてゾウやキリンなどがあります。(クジラはちょっと今回の話から外れます。)これらの動物が住んでいるところは森林ではなく草原、サバンナと呼ばれる所です。ここはお世辞にも植物の種類が多いとは言えませんし、植物そのものが豊富とも言えません。

豊かな種と食べられるものの制限

なぜ豊かな森林には大型の動物がいないのか。この答えは簡単です。「植物種が豊富」なので大型の動物が住むことができないのです。大型の動物が必要な量の食料を熱帯雨林では手に入れることができないのです。
種類が豊富ということは、裏を返すと1種の植物の密度が極端に低いことをあらわしています。熱帯雨林では1haあたりに同じ種類の木は2本という密度で生えているそうです。
皆さんのなかには「種類に関係なく食べればいいのではないか」との疑問をもたれるかもしれません。しかし、基本的に草食動物は限られた種類の植物しか食べません。特に、熱帯雨林の変化に富む植物は体内に独自の成分(毒)を持っていて、それによって食べられるのを防いでいます。それに対してその毒を分解する仕組みを体にもち、その植物だけを食べるよう、熱帯雨林の動物たちは進化してきました。こうすることによって互いに重なることを避けてきたのです。(独自の成分を持っているため、熱帯雨林の植物に新薬の原料を求めていたりします)
ちなみに、サバンナの植物は種類が少ないので同じ種類の植物が多く、そのため大形の草食動物が存在できるのです。また、サバンナの植物は毒ではなく、体を堅くすることで食られないような進化をしたので、それをすり潰せる歯と消化酵素さえあれば別の種類が混ざっていても問題がないことが多いのです。

巨大生物シナリオにあたり

このように、植物の種類と動物の体の大きさには密接な関係があります。もし、密林で巨大な獣や昆虫を出す場合には、そのような生物が生存できる理由を考えておくといつもと違ったシナリオになるかもしれません。
たとえば、ドラゴンの場合その体を維持するための特別な食べ物があるとします。それを求める冒険もいいでしょう。逆にそれを食べてしまって巨大化してしまうというのも面白いかと思います。必死の思いで手に入れても、食べると毒でドラゴンだけがその毒を食べても平気でくたびれもうけというオチもよろしいかと。

ワースでは

ワースの世界では巨大昆虫というとんでもないものが存在しています。植物種と身体サイズの理論ではありえないものです。なぜこのような生物が存在するのか。それを取り扱ったシナリオにしてみると面白いと思います。
実は巨大昆虫は古代人の作った生物兵器のなれの果てであるというのもワースらしくて良いかと思います。

最後に、この話はあくまで現実でのことです。そのため、ファンタジー世界では無粋な内容かもしれません。その場で頭を切り替える必要があると思いますのでご注意下さい。


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